佐賀・唐津と言われても、正直ピンとこない人もいるかもしれません。でも熊本城を築いた「築城の名人」加藤清正が、豊臣秀吉の命でわずか5ヶ月で築かれた巨大な城に陣を構えていたと聞いたら、少し気になりませんか?それが佐賀県唐津市にある名護屋城です。大坂城に次ぐ規模を誇りながら、わずか7年で役目を終え、今は石垣だけが残る”幻の名城”。一方で、茶の湯や陶芸など日本の伝統文化がこの地から花開いたことから、佐賀県は名護屋城を「はじまりの名護屋城。」と銘打って発信してもいます。大河ドラマ「豊臣兄弟!」で描かれる時代の舞台のひとつでもあり、10月からは九州ふっこう応援割もスタートするので、歴史好きにはまたとない旅のタイミングです。
秀吉が築いた”幻の名城”、名護屋城の歴史
名護屋城は1591年(天正19年)、豊臣秀吉が朝鮮半島への出兵拠点として築城を命じ、加藤清正をはじめとする九州の大名たちを動員して、わずか5ヶ月というスピードで完成させました。城域は17万平方メートルにおよび、当時大坂城に次ぐ規模を誇ったといわれています。
1592年からの文禄・慶長の役では、秀吉自身がこの城に入り、全国から集結した武将たちの本陣となりました。周囲には130を超える大名の陣屋が築かれ、城下には約20万人が集まり「京をもしのぐ」とまでいわれるにぎわいを見せたと伝わります。
しかし1598年、秀吉の死とともに戦役は終結。城はわずか7年で役目を終えました。江戸時代に入ると、廃城の再利用を防ぐために天守や石垣は徹底的に破却され、その石材の多くは近くの唐津城の築城に転用されたと考えられています。今日残る名護屋城跡は、その破壊の跡そのものが歴史を物語る、貴重な遺構として「日本100名城」に選ばれています。
戦とともに、もうひとつの”はじまり”もありました。文禄・慶長の役をきっかけに、佐賀藩主・鍋島直茂をはじめとする大名たちが朝鮮人陶工を連れ帰り、唐津や有田など九州各地の窯業を大きく発展させたのです。この出来事は「やきもの戦争」とも呼ばれ、1610年代には有田で日本初の磁器・伊万里焼(有田焼)が誕生しました。唐津焼自体は少し早い1580年代から始まっていたとみられていますが、この時期に多くの朝鮮人陶工が加わったことで、技術も生産も大きく花開いています。茶の湯や陶芸といった文化がこの地から広がったことこそが、「はじまりの名護屋城。」というコンセプトの由来です。
名護屋城の見どころ
- 破却された石垣:あえて崩された石垣が、廃城の経緯そのものを伝える貴重な史跡
- 佐賀県立名護屋城博物館:入館無料。当時の陣屋配置がわかる展示や、秀吉ゆかりの黄金の茶室の復元展示、タブレットで名護屋城を再現する「バーチャル名護屋城」体験も楽しめる
- 諸大名の陣跡群:城の周囲に点在する、名だたる戦国大名たちの陣屋跡
- 唐津焼の窯元めぐり:文禄・慶長の役をきっかけに大きく発展した唐津焼。市内には窯元や陶芸体験ができる工房も点在している
10月スタート「九州ふっこう応援割」でお得に
観光庁は2026年10月1日から、熊本地震の復興を後押しする「九州ふっこう応援割」を実施します。名護屋城のある佐賀県は熊本県・鹿児島県に次ぐ割引率が設定されており、複数県をまたぐ周遊旅行であればさらにお得になります。
| 対象エリア | 割引率 | 補助上限額の目安 |
|---|---|---|
| 熊本県・鹿児島県 | 60% | 1泊2万円/パック旅行3万円 |
| 九州の他県(佐賀県含む) | 50% | 複数県周遊は3.5万円 |
予約は旅行会社や宿泊予約サイト経由で、詳しい条件は都道府県ごとに順次発表されます。予約前に最新情報を確認しましょう。
唐津城下もあわせて巡る、1泊2日モデルコース
福岡市内から唐津へは、JR筑肥線+福岡市地下鉄で唐津駅まで約1時間28分、車なら西九州自動車道経由で約1時間が目安です。福岡空港からも同じルートでアクセスできます。
1日目
- 名護屋城跡・佐賀県立名護屋城博物館を見学(破却された石垣とバーチャル名護屋城をじっくりと)
- 時間があれば、徳川家康陣跡など周辺に残る武将たちの陣跡もめぐってみる(全国から集った大名たちの足跡をたどれる)
- 近くの呼子港で、名物の呼子イカを味わう(呼子は輪島・高山と並ぶ「日本三大朝市」のひとつ、呼子朝市(朝7時30分〜12時)でも有名。早起きに自信がある人は、翌朝に立ち寄ってみるのもおすすめ)
- 唐津温泉に宿泊
2日目
- 名護屋城の石垣が転用されたと伝わる唐津城へ(舞鶴公園から続日本100名城の続き旅にも)
- 唐津市内から福岡方面へ帰路につく
なお、2026年11月22日(日)には「名護屋城大茶会」も開催予定です。応援割の期間からは少し先になりますが、茶の湯文化の”はじまりの地”ならではのイベントなので、秋の旅行先候補としても覚えておきたいところです。
宿探しには、応援割が使える宿泊予約サイトの活用がおすすめです。
秀吉の朝鮮出兵と名護屋城についてもっと知りたい人には、こちらの一冊もどうぞ。
名護屋城と文禄・慶長の役についてもっと知る一冊はこちら(Amazon)
まとめ
大坂城に次ぐ規模を誇りながら、わずか7年でその役目を終えた”幻の名城”名護屋城。加藤清正をはじめとする戦国大名たちが集った歴史だけでなく、茶の湯や陶芸文化の”はじまりの地”でもあります。応援割を活用してお得に、唐津への旅を計画してみませんか。最新のアクセス状況や応援割の詳細は、訪問前に必ず公式サイトで確認してください。


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